竜崎と僕を繋ぐ関係。
友達。
ライバル。
敵。
キラを追う仲間。
それから…

それから?
それ以上、僕は何を望むというのだろう。
15. すきだから、すき。だから、僕は君を守るよ。
僕は、竜崎の事が好きだった。
何度も何度も否定して、それでも誤魔化しきれない気持ちに、僕は諦めてそれを認めた。
触れることができる距離にいて、手の届かない存在。
いずれ殺すと決めた、僕の敵だ。

それでも、好きで。
それでも、竜崎に触れたかった。

一度だけ、竜崎に抱かれた事がある。
騙されたと嘘を吐いて、自分で薬を飲んで竜崎に助けを求めた。
懇願する僕に、竜崎は優しく手を差し伸べてくれた。
僕に優しく触れる、竜崎の手。
僕の求める声に従って、激しく与えてくれる、熱いキス。

これ以上もう求めないと決めたはずなのに、もっと竜崎が欲しくなった。

次の日の朝、竜崎はずっと僕を抱きしめてくれた。
泣きながら謝る僕に、何も云わずに髪を優しく撫でてくれた。

ごねんね、竜崎。
違う、違うんだ。
僕が謝っているのは、君を騙したからなんだ。
君は悪くないんだ。
だから、僕に優しくしないで。
強く抱きしめないで。

耳に押し付けられた竜崎の心音が、とても痛くて、苦しかった。




大学に行った折、夜神が私にしがみ付いてきた。
誰かに媚薬なりの薬を飲まされて、逃げてきた、助けてくれと、私に云った。

私はすぐに嘘だと気付いた。
だって、夜神はそんな罠に嵌るような男ではない。
それでも私は、彼を連れてホテルに急ぎ戻った。
車の中でずっとしがみ付いてくる夜神を、私は宥めながら、捜査本部の人払いをすべく連絡を入れた。
戻ってみるとホテルは蛻の殻で、さっそく中に入った私は、ワタリも追い出し、部屋の鍵を閉めた。

身体が震える。
今、私の腕の中に夜神がいる。
このチャンスを、私はずっと待っていたような気がする。
己の心に固く蓋を閉じたはずなのに、私にしがみ付いてくる夜神の熱い体温に、その蓋は簡単に開けられてしまった。

震えをどうにか押さえつけ、夜神の望みを聞いた。
自分で動いたら、もう戻れない気がしたから。
幸い夜神は、すぐに私を求めてくれた。

幸い?

自分が夜神を渇望していることを、私は認めざるを得なかった。
乱暴になりそうな手を、どうにか叱りつけ、夜神に触れた。
噛み付きたくなるのを、どうにか押さえつけて、そっと、それでも貪るように夜神に口付けた。

夜神の熱い身体。
溺れそうになる。
自分を見失いそうになる。

いや、違う。
溺れたくなる、自分を見失いたくなるのだ。
それほどに自分は夜神を求め、夜神が欲しかった。
お互い、気が狂うほど求め合った。

夜神が気を失った後、私は自分を抱いて独り泣いた。
彼の顔を見たらまた泣きそうだったから、嗄れるまで泣き続けた。

次の日の朝。
夜神は目覚めてすぐ、私に泣きながら謝った。
そんな夜神を、私はすぐに強く抱きしめた。
嗄れたと思った涙が、やっぱり夜神の顔を見たら溢れたから。
震えそうな自分を、黙って強く抱きしめる事で、隠した。

貴方が謝る必要などないのに。
私は、自分の渇望を埋めるために貴方を抱いた。
貴方を得て、失った時、独りになるのが怖くて、何もしなかったのは私だ。
貴方は悪くない。
だから、泣かないでください。
私に縋りつかないで。

腕に感じる夜神の体温が、とても熱くて、苦しかった。




竜崎が死んだ。
僕の腕の中で、ゆっくりと目を閉じた。

愛していた。
でも、僕が殺した。
さよならも云えなかった。
云う必要はなかった。

竜崎の心音は聞こえない。
それでも、心が痛くて、苦しかった。




私は死ぬ。
愛する、貴方の腕の中で。

あの時、一度だけ抱いた貴方を思い出す。
私に縋り付いて泣いた貴方。
でも今は泣いていない貴方。

心音が止まって、冷えていく自分の身体。
夜神の体温はやっぱりとても熱かったけれど、今度は苦しくはなかった。




竜崎はもういない。
僕は独りになった。
もう否定する必要はない。
僕は竜崎が好きだった。

もう二度と、触れることはできない。
それでも、今はずっと近くにいる気がした。

耳を澄ますと、心音が聞こえた。
もう何も、痛くなかった。

だって僕は、ずっと欲しかった竜崎を、手に入れられたのだから。
15のお題、祝コンプリートです!
ほぼお題、無視った気がするけどね!

5と8と11とコレが特に難しかったな…
疲れた。

...20051013
×おしまい