多少猟奇的な一面があります。(ニアがウチとしては珍しく天然ちゃんじゃない)
精一杯我慢したので(笑)、そんなに酷くないし、ちっとも
グロくないです。
ついでにエロもないです。<ついで?
メロ→ニア→月だし、珍しくシリアスちっくだけど、気にならないよ!な方はどうぞ。
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最悪な目覚めというのにも種類があるだろうが、今日の僕の目覚めはきっと、何よりも最悪だろう。
「おはよう、夜神月。寝顔までステキなんだな、お前は。」
「…………」
慇懃無礼な相手に、僕は何も云い返さない。いや、正確には云い返せない。
ガムテープで縫い閉じられているからだ。
剥がれないようにするための用心か、頭の後ろまでぐるぐると2重に巻かれたガムテープ。
取るとき髪の毛数本は覚悟しなければならないだろう。
だが今は、それは忘れておくことにした。
「何だ、寝起きが悪いのか、お前?機嫌悪そうだな。」
誰であろうと、起き抜けにガムテープで口を塞がれれば不機嫌になるというものだ。
ツンとガムテープ独特のにおいに胃がムカムカする。
何もいえない換わりに、僕は相手――メロの金に縁取られた小奇麗な顔を思いっきり睨みつけてやった。
風が吹き雨が降り雷が落ちて対価に静寂
ガムテープを剥がす、びりびりという音が部屋に響き渡る。
うつ伏せに転がし馬乗りになったメロが、後ろ手を拘束しているのだ。
「動くなよ。まあ、動けないだろうけどな。」
その通りだった。
首元数センチの場所に、大振りのナイフが刺さっている。
下手に抵抗して動けば、頚動脈をザックリだ。
拘束されている間、少ない動きで時計を探す。
午前6時10分。
いつもの起床時間より、少し早い時間だ。
メロは一体、何をしに来たのだろう?
当然の疑問が浮かぶ。
だが、腹が痛くて長く思考できない。
別に腹痛を起こしているわけではない。
メロにやられたのだ。
寝ている時に衝撃を受け、苦痛を堪え目をこじ開ければ、メロが底の厚いゴツイ靴で僕の腹を思いっきり踏んでいた。
踵で踏みにじるように、力を込められれば堪らない。
その痛みに呻いている間に、ガムテープで口をふさがれてしまったのだ。
おそらく踏まれた腹には痣ができるだろう。
腹の痛みとガムテープのにおいで吐き気がする。
目がチカチカとして、気絶しそうなほど気分が悪い。
何でもいいから早く終われと強く念じた。
「よし、出来た。」
願いが通じたのか、手際よく足の拘束も終えたメロが、満足げに笑いながら首元のナイフを抜いた。
緊張していた身体から、力を抜く。
大きく息を吐きたいところだが、ガムテープのせいでそれは叶わなかった。
「おはようございます、メロ。こんな朝早くに来るなんて珍しいですね。
ご一緒に、朝食でもいかがですか?」
「……すかした挨拶してんじゃねーよ、ニア。」
複数の映像を映し出した画面の前に座り、ニアがサイコロを積み上げている。
遊んでいては、監視の意味はないだろうに。
しかしニアは、反省している様子はない。
「何、遊んでんだてめぇ?監視はどうした?」
「していますよ、もちろん。だから振り向かずとも、貴方だと気付いたでしょう?
それより、そろそろ下ろしてあげたほうがいいんじゃないですか?そのままでは頭に血が上ります。」
それは、メロの肩に担ぎ上げられている僕に対しての言葉だった。
確かに頭に血は上っているが、それ以上に踏まれた腹が重心となっているので、本当に早く下ろして欲しいと思った。
僕のいた部屋からここまで、結構な距離だ。
拘束されている僕を運ぶためとはいえ、メロの体力には驚きである。
「視てたのに止めなかったのか?」
「手が離せなかったので。」
ニアにとって、僕よりサイコロの方が順位が上ということらしい。
ふざけた話だとは思ったが、僕を担ぎ運ぶほどのメロ相手では、ニアが敵う筈はないだろう。
結局は、同じこと。
「俺がこいつを連れて逃げたら、どうする気だったんだ?」
「追いかけなければなりませんね。」
「けっ、どうだかな。”手が離せないから”追いかけないんじゃねーのか?」
「それはないでしょう。
――だって彼は、キラだから。」
ニアの答えを聞いて、口の端を吊り上げて笑いながら、メロは僕を床に下ろした。
放り投げはしなかったが、丁寧でもない下ろし方で、したたか背中を打つ。
そこでようやく、ニアが振り返った。
ちらりと僕に一瞥を送り、メロと目を合わせる。
「乱暴に扱ったら、壊れてしまいますよ?」
「生憎と、壊すのが得意なんだ。こんな風に――」
再び下ろした僕に馬乗りになったメロが、僕の首に指を絡める。
親指にゆっくりと力を込め、締め上げる。
「殺す気ですか?キラを。」
「キラなんて要らないだろう?」
「私には必要なんです。」
「愛しているから?」
「はい。キラを、愛しているので。」
メロの指に、更に力が込められる。
口を塞がれて、唯でさえ息苦しいのに。
力いっぱい首を絞められて、窒息する前に、滞った血液で頭がパンクするのではないかと思った。
「ニアに愛されるなんて、羨ましいなぁ、夜神月。」
金色の髪が僕の顔に掛かるほど、メロの顔が近づけられる。
まるで恋人にキスをするみたいに、優しい表情だった。
だが、指に込められた力は憎しみのそれ。
メロは本気だ。
本気で僕を殺そうとしている。
「こいつ殺したらどうなる?お前も死ぬ?」
「死にませんよ。
私は、壊れたおもちゃでも、愛することができます。」
「…………」
「それに壊れてしまえば、そんなもの、――もう誰も欲しがらなくなるでしょう?」
完全に私のものになります。
その科白とニアの笑い声が聞こえたのを最後に、僕は意識を手放した。
嗚呼、可哀想な夜神月。
愛されるとは、いかに苦しいことか。
憎まれるとは、いかに苦しいことか。
同時に思い知って、貴方はどんな答えを導いたのだろうか。
静かだった。
目を開けてみればそれも道理。
メロもニアもいなくなっていた。
安堵のため息。
ため息?
「あ…」
ガムテープによる拘束が外されていた。
もちろん、手も足もだ。
一体誰が?
「おはようございます、月くん。無事でなによりです。」
声に驚き、顔を上げる。
「竜崎っ…?!」
喉を潰されて掠れた声だったが、僕が名前を呼んだことで、嬉しそうに竜崎が笑った。
気付けば、僕は座ったままの竜崎に抱きかかえられている。
どうりでさっきからあったかい筈だ。
「淋しかったですか?怖かったですか?嬉しいですか?怒っていますか?悲しいですか?」
矢継ぎ早に問われる質問。
その顔はずっと笑っている。
悔しいので、答えてやらず、かわりに質問を返した。
「メロと、ニアは?」
「もうこの屋敷にはいません。それなりの報復をして、帰しました。
当然ですよね。私の月くんを憎んだのですから。
当然ですよね。私の月くんを愛したのですから。」
どんな感情だろうと、貴方に対して抱いていいのは私だけです。
そう囁かれ、触れるだけのキスをされる。
完全に所有するという証の捺印のようだ。
「貴方は誰にも渡しません。貴方も思い知ったでしょう?
私以外に愛される恐ろしさ。
私以外に憎まれる恐ろしさ。
私にだけ愛されていたいと、思ったでしょう?
私にだけ憎まれていたいと、思ったでしょう?」
優しい言葉。
だが、肯定以外を受け入れない強い視線。
まっすぐ、受け止める。
「ああ。その通りだな、竜崎。
どうか僕を愛してください。
どうか僕を憎んでください。
――もう二度と、僕を手放さないで…」
身をもって教えられた、竜崎以外からの愛。
身をもって教えられた、竜崎以外からの憎しみ。
実感して、知った。
どれも僕には要らないものだった。
「竜崎に捕まって、よかった。」
「……おかえりなさい、私の月くん。」
永久に。
設定の説明をしますと、火口を確保する前に(もしくは監禁前に)キラを逮捕したことにしてます。
当然、捕まった月は竜崎にいっぱいいっぱい愛されちゃうわけです(笑)
そんな生活をしているある日、月が「お前以外に捕まればよかった」なんて口走っちゃうのですよ。
そんじゃあってことで、竜崎が監視役をニアと交代。
(私以外で貴方を捕まえるとしたら…、という理由で選びましたとか云って)
まあ、3ヶ月か半年ニアは月を監視するんですが、
その間に、会話するうちに”L”のモノということもあり、興味を持っちゃうのです。
ちゅーくらいしちゃうの。えっちはまだだけど。
当然ながら月を監視するニアを監視していた竜崎は、ニアが月に執心していること(ちゅーしたこと含む)をメロに密告!(笑)
ニアに淡い恋心なメロちゃんは怒って襲来、月を拘束して…と、この話に繋がるのです。
説明なきゃ背景が解かりにくいの承知のすけです。
出てこないだろう、と思わせておいて最後はちゃっかりしっかりL月ってのが書きたかった。
あと、
ガムテぐるぐる巻きが大好きだったから。<聞いてない
...20060907
×おしまい