さわやかな朝
「おはようございます、夜神くん!」
「え?あ、ああ。おは…よう、流、河?」

思わず疑問系を取ってしまうほど、今日のLは変だった。
何処が変って、いつも普通に変だけど、今日はもっともっと異常な感じで変なのだ。

「何か、あったのか?」
「何を云ってるんですか!今日は、貴方とテニスをする約束をしているでしょう?」
「ま、まあ、そうだけど…」

だからって、何でそんなに元気なの?
というよりも、その満面の爽やかな笑顔は何?
新しい心理戦なのか?

「っていうか、今日はいつもの格好と違うね。」
「はい!気合を入れて、ウエアを新調しました!」

にこりん!
笑った時に覗いた白い歯が、一瞬輝いたように見えた。

「――怖い…」
「え?何かおっしゃいましたか、夜神くん?」
「いや、別に。」

ジャージ姿のL。
おそらく、下にはテニスウエア(新調したらしい)を着ているに違いない。

「さあ!さっそく、テニスコートに行きましょう!」
「え?もう行くの?」
「はい!今日はそのために、登校したようなものですから!」

今さっき、大学に着いたばっかりなんだけどな。

「夜神くんも、早く着替えてきてください!なんでしたら、スコートでも用意しましょうか?」
「要らない!」
「そうですか?残念です!きっと、とてもよくお似合いだと思いますよ?」

似合ってたまるか!
しかし、ようやくいつものような調子に戻ってきたな。

「これが私の相棒です!」
「!?」

そういって紹介されたのが、ラケット―――ではなく、フライパンだった。

「そ、それで試合するの?」
「もちろんです!私はこれで、イギリスのJr.チャンピオンだった記録があります!」
「えぇーっ?!」

マジで?! だって、フライパンだよ?
というか、試合出られたの?!

「さぁて、試合始めますよ~!」

という、気合の入った掛け声と共に、ジャージを脱いだL。
ニューウエアのお出ましか、と思われた。
が、Lが下に着ていたものは、テニスウエアではなかった。

何で全裸なの?!
「全裸ではありませんよ。ちゃんとこのように、隠してあるでしょう?」

確かに、申し訳程度に、股間の部分を一枚のかえでの葉っぱが付いていた。
って、

はみ出してるから!
「コレは、チラリズムでドキドキさせる作戦です。ドキドキするでしょう?」
チラリじゃないから!思いっきり出てるから!

ドキドキというより、どぎまぎするよ!
もちろん、違う意味でな!

嫌なもん見た…
気分が悪い。

とかなんとか思っているうちに、試合は始まった。
先行は流河だ。

「では、サービスいきますよ?そ~れ~!」

ゆらゆら。

「ナイスレシーブです、夜神くん!――は~い!」

ゆっさゆっさ。

「貴方の実力はこんなもんじゃないでしょう?――そ~ら~!」

揺れている。
フライパンで奴がボールを打つ度に、かえでの葉っぱと共に、ナニが揺れている。

「うぐぁああぁあ――――っ!!!」


『ど、どうしたんだ、ライト…?』
「…ハッ?!」

ベッドの端からおそるおそる、リュ―クが僕を覗き込む。

「あ、あれ…、夢…?」

そう、すべては夢だったのだ。
僕はゆっくりと深い深いため息を吐いた。

今日は流河(と名乗るL)と、親睦を深めるテニスをする約束をしている。
だからなのか、あの夢は。

「そうだよな…。まず、爽やかなLからして、ありえないよな…」
「何ですか、夜神くん?」
「いや、何でもない。
 ――うん、いいね。その格好。何も見えないし、ラケットも料理に使えない所なんか、とってもいいと思うよ。」
「何を訳の解からないことを云ってるんですか。」
「気にしない、気にしない。」
「はあ。まあ、いいですが。」

いつも通りの格好で、普通のラケットを持っているLに、心底安心したのだった。

「ところで、夜神くん。このスコートなど、いかがですか?
 特別に、ピンクのフリルをあしらってみました。きっとお似合いですよ?」
「そこは同じなんだな。うん、要らないよ!(にこっ)
「…そうですか、残念です。」
爽やかLのはみチン。
いや、爽やかなLってきもいなぁってことが書きたかっただけなんですよ。

...20051207
×おしまい