鬼畜エロ風味となっております。あくまで、風味です。
苦手な方、ご注意ください。   
  
 欲望
何か、もう耐えられないという顔をして、夜神は云った。

「竜崎…っ!僕は、君のことが…好きなんだ…!」

顔を赤く染めて、見た目だけとても奇麗なこの生き物に、私は嫌悪の目を向けた。

彼の気持ちは解かっていた。
私が動くたび、喋るたびに、あんなにモノ欲しそうな目をされれば、誰だって気が付く。
しかし、改めて言葉にされると、より一層不快な気持ちでいっぱいになった。

「私は、貴方のことをキラだと思っています。」
「そ、それは…!解かってる、けど…。
 でも、僕はキラじゃないし。それに、今は関係ないだろう?」
「関係ないわけないじゃないですか。私はLで、貴方はキラ。
 敵である貴方から好きと云われて、どんな気持ちがするか解からないんですか?」
「……っ…」

今の言葉で、夜神が傷ついたのが手に取るように解かった。
しかし、だからといって私に罪悪感などというものはまったくない。
むしろ、不愉快だ。

「手錠で繋がれたことで、何か勘違いでもしたみたいですが…」
「勘違い?」
「私との距離が縮まったとでも、思ったのでしょう?」
「…っ!」

図星だったようで、夜神は潤んだ大きな目をさらに見開いた。
それでも、そんな屈辱的な言葉を真に受け止めることなどしない夜神は、食い下がる。

「そんなこと、ない…」
「本当に?なら、何故私に告白などしたんですか?」
「それは、好きだと思ったからで…」
「違います。それなら、もっと以前に告白できたはずです。
 私が気付いていないとでも、思っていたんですか?」
「!」

再び屈辱で顔が歪む夜神。
そんな顔も美しいと思う。

――本当に、この男は造詣だけは無駄に美しい。

半分呆れ、半分感心したようにその顔に見入りながら云った。

「貴方は、私と手錠で繋がれ生活していく中で、私との距離が縮まったと思った。
 だから、本来ならばずっと黙っていようと想っていたことを口にした。
 違いますか?」
「……そうだ、よ。それのどこが悪いんだ?」

スッパリ云ってやると、夜神は強く目を瞑り、私に向き直ったかと思うとそう云ってのけた。
今度は開き直りか…と、うんざりしたため息をあからさまに吐いた。

「迷惑です。貴方に好かれていることだけでも迷惑なのに、言葉にまでされては敵いません。」
「! …それは、解かっていたけど。でも、この想いは止められないんだ!
 好きなんだよ!僕は竜崎が、好きなんだ…!」
「…………」

止めろというのに、再び言葉にされて、不快感でいっぱいになった。
その不快感を振り払うつもりで、私は夜神の手錠に繋がれていない方の手首を乱暴に握りこんだ。

「痛っ…!」
「そんなにいうのであれば…、解かりました。
 これから、貴方を抱いてさしあげましょう。但し、抱くだけ。
 貴方を好きなわけじゃないんです、性欲処理として使ってあげますよ。」
「! そ、そんなことできるわけ…!」
「できないんですか?一度断れば、もうこの話はナシです。
 …こんなチャンス、二度とないですよ?」
「…!」
「さあ、どうするんですか?」

ギリギリと握られる手首を、痛がりはするが、夜神は振りほどこうとはしない。
私のことを好きなのだ、そんなことできないのだろう。
しかしそれが解かっているので、私はわざと突き放すように夜神の腕を放した。

――この話を断れば、二度とこの腕を私はとらない。

そう夜神に、伝えてやったのだ。
頭の良い夜神も、そのことをよく理解しているだろう。

「…解かった。」
「何が、解かったんですか?」

どうやら、答えが出たらしい。
まあどちらせよ、私にはデメリットは無い。
夜神がプライドと羞恥を捨て、私を取るか。
はたまた私を諦めて、何も無かったことにするか。
2つに一つ。

以前の夜神であれば、絶対に後者を選ぶだろう。
しかし、今の変わってしまった夜神では、どちらの答えを出すのかは予想がつかない。
それでも…

「どんなカタチでもいい…。君と触れ合いたい…。
 ――竜崎、僕を、抱いてくれ。」

やはりな。

後ろから、肩をしがみ付くように抱きしめられながら、その結果に私は眉を顰めた。
夜神の、この張り詰めた表情。
プライドなど羞恥など二の次で、私に愛されたいという、欲望に眩んだ目をしている。

美しいお前を見ている時の、私と同じ目だ。

「う、うわっ…ぁ!っ!」
「大丈夫ですか?」

床に突き飛ばし、乱暴に押し倒しておきながら、口先だけ心配したフリをしてやる。
夜神の身長では相当痛かっただろうに、夜神は気丈にも大丈夫、と云ってのけた。

「竜崎…?まさか、此処…で?」
「何処でヤると思っていたんですか?
 まさか、性欲処理の相手に気を使って、ベッドで…なんて思っていませんでしたよね?」
「! …でも、もし父たちが戻ってきたら、」

「止めますか?」

「! い、嫌だ!続けて…?お願い…、りゅ…ざき。」
「端からそのつもりです。もう黙っててください。
 それと、極力声も控えてくださいね。男が善がっている声など気持ち悪いだけですから。」
「……っ、解かった。」

まだるっこしいシャツのボタンを弾きながら、ビリビリと着ている服を引き裂いていく。
手錠をしているため、丁寧に脱がしてやるのは面倒なのだ。
だいたい、気を使う必要も感じない。
全てを脱がし、身一つになった夜神を跨ぐ。

「…ひぁ…!」

露わになった胸の飾りに、遠慮なく歯を立てると、夜神から一段高い声が上がった。
手を止め、夜神を睨みつける。

「……声は、」
「わ、解かって…る…!がま…す、る…から…!だ…から…、続け…て?」
「そうですか。解かっていればいいんです。」
「んぅっ…!」

注意を受けて、素直に受け入れた夜神を、私は疑わしく思いながらも再開した。
今度は声が漏れないよう、唇を白くなるくらい噛み締める夜神。
そんなに強く噛んでいれば、噛み切るのも時間の問題だろうに。
しかし、そんなことは些細なことでしかない。
血が流れたらいいのに、と思う。
だって、この奇麗な器には、血はさぞかし映えるだろう。

――興奮する。笑いが止まらない…!

但しこれは、夜神に対しての興奮ではなく、嗜虐心を煽っての興奮。
夜神月という男は、本当に無駄に美しい。

「…ぁあ、ん…!むぅ…!」
「そろそろ挿入れますけど、いいですか?」
「…んん…っ!」

夜神の美しさにだけ興奮した自分自身を取り出すと、夜神は目を見開いて凝視してきた。
既に胸への刺激だけで少しだけ反応していた夜神のモノから、ぴるっと透明な液が漏れた。

「………変態か、夜神。」
「! ち、ちがっ…」
「私の性器を見て興奮するなんて、変態以外になんだというんだ?」
「…っ!」
「気持ち悪いな…。止めようか…」
「やっ…!止、めな…で!…ねが、いっ…!りゅ…うざ…き…ぃ…!」
「煩い。名前を呼ぶな。
 止めて欲しくないなら、黙ってさっさと足を開け。うざったい。」
「あぅ…!は、ぁ…ん…!」

足を持ち上げて、白い円い奇麗なカーブを画く尻を叩いてやる。
夜神はそれでも感じているようだった。
真性の変態か…?
呆れて呆然と見ていると、懇願するように私の顔を覗き込もうとする夜神。
不快だ。
そんな顔を向けるな。

「ひ、あぁ――っ!…った、い…。ぁ、ぁ…ぁ…!」

本来受け入れるべき器官ではない夜神のそこを、解しもせずに一気に自身を突き立ててやった。
そんなことをすれば、当然血が溢れ、白い奇麗な肌の上を滑って、床に落ちた。
その様をみて、私の頭には赤い靄が掛かったように、何も考えられなくなった。

――今はただ、夜神を犯したい…
その欲にまみれた感情だけで、私は動き続けた。

「…――な~んていう理想を適えてくださるというのであれば、
 私の誕生日を、夜神くんにお教えしてもよろしいですよ?」
「…………」
「私が嫌がっても嫌がっても、『抱いて』『好きだ、愛してる』と私に縋りつく月くん…。
 嗚呼!サイコーですぅ~!!
「……はぁ…」

夢を見るようにうっとりとして話す竜崎の話を聞いて、僕はクラクラする頭を抑えた。
ただ話のネタが尽きたから、誕生日はいつ?と軽く訊いただけなのに。
どうしてこうも、飛び火した話ができるのだろう。

――こいつは僕を不快にさせる、天才だな。(むしろ、天災か?)

そんなことを思いながらも、僕はとある疑問が浮かび、竜崎に訊いてみることにした。

「なあ、竜崎?」
「何ですか?!や、やってくださるんですか…!?」
「ち、違う…!というか、まず離れてくれ。」
「……はい。」

鼻息荒く顔を寄せられて、必死に目を背けた。
だって、奴のナニは、僕の素晴らしい視力の間違いでなければ……勃起していなかったか?

(み、見ていられない…!)

しょぼんとして僕から離れたが、瞳は期待に満ち溢れて、爛々と輝いている。
だいたい、竜崎の例の独特の座り方では、彼の下半身は強調されてばかりだ。
文字通り、目も当てられない竜崎から視線を逸らしながら、僕はようやく質問を口にした。

「もし、“もし”という仮定の段階だぞ?
 もしも、その要求を僕が受け入れたとして…」
ありがとうございます!!!
違う!仮定だと云ってるだろうが!!」
「い、痛い…。一回は…」
「今のは完全にお前が悪いだろう?」
「……まあ、認めましょう。」

飛びついてきた竜崎の顔面に右ストレートを決めて黙らせると、僕は話を続けた。

「もし、もちろん演技で、僕がそれを受け入れたとして、
 ――竜崎、お前にはそれを演じることができるのか?
「!!」

元から気持ち悪いほどギョロギョロとかっぴらいている竜崎の目が、更に大きく見開かれた。
思ってもみない言葉だったらしい。

「そ、それは…。も、もも、もちろん、でででで、できます、よ…?」
「声が裏返ってるぞ。」

想像してみて、竜崎でさえ無理だと思ったのだろう。
だって、僕が演技とはいえ、形式的にも自分から『抱いて?』と迫るのだ。
竜崎にとっては、諸手を上げて喜びたい状況に決まっている。
普段絶対にないだけに、確実だと思われる。
それを、拒否しつつ、冷たくあしらうなど…

「絶対、無理だろう?」
「で、できますよ!ほ、本当です…!世界の名探偵Lに不可能はありません…!!」
「必死すぎるぞ。」
「! 月くん?そんなことをいうなんて、もしかして、やってくださる気があるんですか?」
「ん?」
「ど、どうなんですか?」

竜崎の言葉から察するに、自分でも適わない願望だと思っていたのだろう。
当然適えてやる気も、義理もないのだが、僕は少し考えると、立ち上がって竜崎の後ろに廻った。

「? 月くん?」
「…竜崎。」
「!!」

何だろうかと振り返ろうとする竜崎を制して、僕は竜崎の肩を抱きしめた。
いきなりのことで、強張る竜崎。
きっと、さっきみたいに気持ち悪いほど目を見開いているのだろう。
背中越しでも竜崎の表情が解かるなんて、僕は本当に竜崎が好きなんだなぁとしみじみ思った。

「あ、あの…?月くん、いきなりどうし、」
「ねえ、竜崎?」
「!」

感慨に耽っている時間が中断されて、僕はしぶしぶ本来起こそうとした行動に戻った。
竜崎の耳元に口を寄せると、ぞくぞくと肩が震えている。
その素直な反応に内心ほくそ笑みつつ、僕は二の句を続けた。

「僕、竜崎が望むなら、さっきのこと。やっても、いいよ?」
「え、えぇ…!?ほ、本当ですか?!」
「…うん。だから、竜崎。――僕を、激しく抱いて?
「ら、月くん…!わ、私、頑張ります!!

がばっと勢い良く後ろを振り返り、抱きしめ返そうとしてきた竜崎。
…もとい、真の変態の顔面に、力いっぱい手刀を入れる。

「あがっ…!」
「やっぱり、できないじゃないか。だから、この話はナシだ。」
「た、試したんですか?そ、そんな…!月くんっ!
 こ、こんなに期待させておいて、それはないでしょう?!」
「知らないよ。」
「ら、月く~ん!!」

本気で泣きそうな声で僕の名前を呼び叫ぶ姿を、少しだけ可愛いと思う。
そんなことを思ってしまう僕自身も、結構少しだけやばいところまできているのかもしれない。
それでも、それでいいと思ってしまう自分も、嫌いではない。

未だに僕の足に縋ってくる竜崎を見て、いつかはさっきの要望も適えてやりたいなどと本気で考えた。

目指せ、鬼畜竜崎!…をして玉砕。
私には、月を苛めることなんてやっぱりできなかったよ…
だって、月に愛されてるのに、拒否る竜崎なんて…!なんて憎憎しいんだろう!!

期待させちゃってたら、ごめんなさいでした。(平謝り)

...20050917
×おしまい